抵抗の分圧計算を3分で理解!公式の覚え方とExcel早見表付き

1. なぜ“分圧”は絶対に外せない基礎か

電気回路を学ぶと必ず最初に出てくるのが 電圧分割(Voltage Divider)
センサーの出力をマイコンの ADC に合わせたり、リファレンス電圧を作ったり──「電圧をちょっとだけ下げたい」場面で毎回使います。
それなのに式がパッと出てこなくて毎回ググる…そんな悩みを今回で終わらせましょう。


2. 公式はたった一行で覚えられる

抵抗 R1・R2 を直列に接続し、Vin を印加、Vout を R2 の両端で測る場合

$$Vout= \frac{R_2}{R_1 + R_2}V_{\text{in}}$$​

■“分子は落としたい側”で覚える

  • 下げたい(取り出したい)電圧側の抵抗分子
  • 全抵抗分母
    欲しい側 ÷ 全部×Vin」と覚えると一発です。

3. 3分クイック計算ステップ

  1. Vin を確認(例:12 V)
  2. 希望 Vout を決める(例:5 V)
  3. R1 : R2 = (Vin – Vout) : Vout を比で出す
    • 12 V → 5 V なら 7 : 5
  4. 使いやすい実抵抗値へスケール
    • 比を ×10 kΩ → R1 ≒ 70 kΩ, R2 ≒ 50 kΩ
  5. 式で確認
    $$Vout=\frac{50}{70+50}×12 ≒ 5.0\text{ V}$$

4. Excel 早見表で一撃チェック

A列B列C列D列
Vin (V)R1 (Ω)R2 (Ω)Vout (V)
127000050000=B2/(B2+C2)*A2
  • 数式をコピーすれば組み合わせを片っ端から検証可能
  • 列Eに「=A2-D2」で誤差を表示しておくと便利

TIP: 定数抵抗の E24 系値をドロップダウンにしておくと現実的なペアだけ試算できます。


6. よくある質問(FAQ)

QA
希望電圧がピッタリ出ないR1・R2 を E96 系まで細かく選ぶか、トリマ抵抗で微調整
負荷をつないだら電圧が下がった分圧器自体のインピーダンスが高すぎ。R 値を 10 倍小さく or バッファ OPAMP を入れる
熱で値がズレる?温度係数(ppm/°C)の小さい金属皮膜抵抗を選ぶ

7. まとめ & ダウンロード

  • 公式は「欲しい側 ÷ 全部 × Vin」
  • Excel 早見表で瞬時に組み合わせ試算
  • 図でイメージ → “3 分” で分圧攻略完了!

この記事とダウンロード表をブックマークしておけば、次に分圧が必要になった時に 3 分で設計完了です。

▼ Excel 早見表テンプレート(.xlsx)
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1Z0Kfmw_C2XJTj1k1v0yAi4p6x2nO1kZU/edit?usp=sharing&ouid=116617544142747289492&rtpof=true&sd=true

コメント

タイトルとURLをコピーしました